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L型 フルチューン エンジン組み付け講座(1)

IMGP4500.jpg

おはようございます。

本日は、L型6気等のフルカウンタークランクまで入ったフルチューンエンジン組み付け編です。

仕様変更から、セットアップまでを二日に渡って書きます。

組み付けに際しての注意点とポイントを詳しく書きますので、興味の在る方はじっくり読んで下さい。


まず、このエンジンは車両にのったまま入庫した時から少し違和感を感じていました。

トルクもパワーも、それなりに在るのですが、鍛造ピストン・フルカウンター・他、高価なチューニングパーツを使用して組んでいる割には物足りなさを感じていました。

正直、中身を見るまで、これだけのパーツが入っているとは思えなかった程です。

空吹かしのレスポンス、特に回転の落ちが悪いのでバルブタイミングが遅いのだろうとは想像出来ましたが、まだ、もう少し何かが足りないと思えました。

圧縮比が足りない? ピストンの当りが悪い? ピストンクリアランスが広過ぎ?

等々、考えられる事は沢山在るので組み付け画像を交えて確認しながら詳しく書いて行きたい思います。

IMGP4501.jpg IMGP4497.jpg 

まずは、ブロックのタップ通し・・・全部のボルト穴に通すのがベストですが、最低限クランクキャップ、ヘッドボルトにはタップを立てます。

理由は、錆や汚れを落とし、正確なトルクが掛かる様にする為です。


次は、糸面取り・・・クランクケースのメーカーでの機械加工面の角をヤスリで軽く面取りします。

軍手を使って、エンジンは組みませんがブロック内を軍手で触れて、引っ掛かる様では駄目です。

バリが残っていては、メタルの密着が悪かったり、クランクキャップの締め付けトルクに影響するからです。

ここまで終れば、良く洗浄して最初の画像の様にブロックの塗装をします。


IMGP4504.jpg

ブロックの塗料が乾燥すれば、クランクを組んで規定トルクで締め付けます。

強化ボルトの場合は、7.5~8kg

素手で、クランクを掴んで軽く回らなければ、クランクの曲がりやメタル等を、もう1度点検する必要が在ります。

メタルとクランクの間にほんの僅かなゴミが噛むだけでも回らなくなります。

*** 今回は、注意点と組み付けポイントに重点を置くので、クランクの曲がり確認やメタルクリアランス等の基本的な確認は省きます。

IMGP4506.jpg

IMGP4512.jpg IMGP450711.jpg

クランクの組み付けが終れば、ピストンを入れます。

ピストンを洗浄してピストンリングを外し、リングの合口クリアランスの確認をします。

カメアリのピストンリングは比較的正確ですが、チューニング用のピストンとピストンリングなので、必ず合口クリアランスの確認は必要です。

ピストンを1気筒づつに合わせてボーリングするのに、リングが同じなのは可笑しいでしょ~

0.2~0.25mmに合わせます。

3本のオイルリングは、120度づつの3方向になる様に合わせます。

今回は、トップとセカンドの12本の内、4本を組み替えただけで削り加工はしませんでしたが、合わない場合はヤスリで慎重に削って合わせます


次にピストンを入れますが、トップとセカンド、ピストンリングの合口方向は、進行方向に向かって120度後ろ側に合わせます。

合口の方向は、各メーカーやマニュアル、チューナーによって異なります。

どれが正解とは言えないので、あくまで一つの方法だと思ってください。


IMGP4509.jpg IMGP4516.jpg

IMGP4520.jpg

次に、ピストンを入れ、コンロッドを規定トルクで締め付けが終れば、ピストントップを出します。

強化ボルトの場合は、5.5~6kg。

ダイヤルゲージでピストントップを正確に出し、円分度器をセットして、針金を指針とします。


IMGP4523.jpg

次は、シリンダーヘッドを載せます。

今回は、実働エンジンでアイドリングのバラツキ等も無く、特に低回転での調子は非常に良かったのでヘッドには手を付けません。

エンジンを分解する時点で確認すれば良かったのですが、設定のバルブタイミングも計っていなかったので、カムも組んだままの状態で搭載して、まず元の数値を計測します。

ちなみに、燃焼室容積は、分解した時に圧縮比が足りないかとも思い計測済みです。

L型3.1Lフルカウンター入りエンジン販売 ・・・参照

結果は、燃焼室容積36cc ヘッドガスケット7cc バルブリセス5cc 合計48cc

1気筒当りの排気量、ボア89.5Xストローク83mmの522cc・・・・圧縮比 522+48÷48=11.87:1 

チューニング・ストリート用としてはベストな圧縮比だと思います。


IMGP4524.jpg

シリンダーヘッドは何度か仮り組みをします。

中古ガスケットを使用して、フロントカバーを付けずに、カムチェーンの張りとバルブタイミングの調整は必須です。

まず、ヘッドを載せた時点で、一つ目の問題点を発見しました。

赤の矢印、カムホルダーの下にスペーサーが入っている為、ロッカーピボットが異常に高く調整されています。

シリンダーヘッド面研磨を行い、カムチェーンの弛み補正の為に、スペーサーを入れるのは有効ですが今回の様に、ピボット位置が高くなり、ロッカーアーム角が悪くなっては問題外です。

ハイカムを入れると、基本的にノーマルのベース円より細くなり、タペットクリアランスを正規に合わせるとピボット位置が上がります。

そこへ、カムホルダースペーサーを入れると画像の様な高さになるのです。

補正の方法等は、明日の記事で詳しく書きます。


下の画像、本日最期の内容は、バルブタイミングの測定です。

元のバルブタイミング計測の為、元の状態のまま、バーニャ式カムスプロケットを組みました。

結果、バルブタイミングは、インテーク中心角105度指定のカムが、107度に設定されていました。

インテークで2度遅いですね。


円分度器の見方としては、インテーク中心角の場合は、上死点後107度・・・つまり時計回りに90度のメモリを過ぎ、数字が小さくなる90-80-73度が107度となります。

ちなみに、もう一枚の画像は分度器上71度・・・この上死点後101度は、カムが動く寸前までクランクを逆回転させた数値です。

つまり、チェーンの遊びがクランク回転6度分・・・赤の矢印で示した部分が遊びなので比較すると良く分ると思います。

ノーマルや70度程度のハイカムなら問題無い範疇です。

しかし、80度ものハイリフトカムが入ったチューニングエンジンとしては致命的で、高回転からのエンジンブレーキ時にバックトルクで6度バルブタイミングが狂えば間違い無く、バルブとピストンは干渉します。

一歩間違えれば、高価なエンジンが全損です。

今回は、バルブタイミングが少し遅く設定されていたのが幸いしたのと、ほとんど走行されていない慣らし段階だった為、バルブとピストンのキスは避けられた様です。

レスポンスが悪く感じたのは、バルブタイミングの2度ズレとカムチェーンが伸びる瞬間の6度ズレ、合計8度のズレが、回転の落ちの悪さに繋がったのは間違いない事ですね。

明日は、バルブタイミングとカムチェーンの弛み対策を中心に組み付けの続きを書きます。

IMGP4556.jpg

IMGP4568.jpg IMGP4569.jpg


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この記事へのコメント

- 駅前不動産 グルメ部 S30課 - 2013年01月27日 08:58:17

今日の記事は凄い勉強になります。
理解できない部分もありますが、自分のエンジンばらした時に
いろいろ確認してみます。

ところで、テンショナーの遊びが問題なら、カメアリのテンショナー
とか有効なんですかね?

Re: タイトルなし - Uncle Ryo - 2013年01月27日 11:37:28

> 今日の記事は凄い勉強になります。
> 理解できない部分もありますが、自分のエンジンばらした時に
> いろいろ確認してみます。
>
> ところで、テンショナーの遊びが問題なら、カメアリのテンショナー
> とか有効なんですか?

カメアリテンショナーは有効です。

ただ、チェーンの角度的に負担になるのが少し気になるけどね。

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