ホンダS800エンジン分解(6)

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おはようございます。

本日は昨日の続きで、S800のビックバルブ編です。

最初の画像は、ノーマルとビックバルブをヘッドに入れた比較画像です。

画像ではカムが、1㎜もリフトしない内に、バルブ同士が干渉するので、このまま使える訳では在りません。

バルブシートを入れ替え、オーバーラップ時に干渉しない所までバルブシートの当たり位置を下げて対応しますが、下げるにもポートの曲がり等との関連を考えれば限界が在ります。

シート位置を下げ、尚、足りない分はバルブを小さくします。

先日書きましたが、S800ノーマルバルブが、IN35.5㎜ EX31.5㎜です。

このビックバルブが、IN40㎜ EX33㎜・・・サニーA型レース用と同じサイズです。

排気量から考えても少し大き過ぎるので、KZ1000レース用と同じ、IN37mm EX32㎜位が妥当ではないかと考えています。

何故、ビックバルが必要かと言うと、レース用エンジンの場合は、圧縮を上げ、沢山の空気を取り入れ、沢山排気出来ればパワーが上がると言う至ってシンプルな発想からです。

勿論、沢山の吸排気をするためには、バルブの大きさだけではなく、大きく開くハイリフトカムも必要です。

簡単に書けば、バルブの傘が大きく長く開くのがレーシングエンジンとも言えると思います。


下の画像は、S800ノーマルとビックバルブ、ステム径の比較画像です。

解り難いですが、左ノーマル6㎜ステムに対して、右ビックバルブは5.5㎜ステムです。

KZ1000レース用の元になったブランク材です。

高回転を回す為には、バルブを大きくしても重たくなれば意味が在りません。

他車種のレース用エンジンでは、大きくするよりも軽くした方が良いと言う考え方も在るほどです。

バルブは大きく軽いのが一番ですが、チタン製等は高価で耐久力を考えると現実的には難しいのが実情です。

それを、サニーA型は、ノーマル8mmステムに対してレース用では7㎜ステムに変更して大きく軽くを実現しています。

この、ビックバルブも同じく、6㎜ステムから5.5㎜ステムに変更する事で、傘径が大きくなったにも関わらず、IN+EXの重量、94gから86gに軽くなっています。

実際には、もう少し傘径が小さくなり軽量化工の余地も残っているので、IN+EXで70gくらいにはなると思います。

バルブが軽くなると言うのは大変重要な事で、まず、エンジンレスポンスが非常に向上します。

そして、バルブが軽くなるとサージング限界回転数が上がるので、その分、バルブスプリングを柔らかく設定する事が出来ます。

バルブスプリングが柔らかく設定出来ると言う事は機械的損失が減り、よりスムースなエンジン構成に繋がると言う事になります。

しかし、いい事尽くめでは在りません。

ステムが細くなり、傘を薄く軽量すれば、必ず耐久性が落ちるので、レース用と言えども限界を超えないバランス感覚が必要です。

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ホンダS800エンジン分解(5)

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こんにちは。

私はブログを始める時、クルマとバイクの旧車関連記事だけを書くと決めたのですが、他に一般車検等の仕事もしているので、旧車関連だけで毎日アップするのは厳しいですね。

本日は、次の日曜日にでも書こうと考えていた、S800のバルブ挟み角について書きたいと思います。

最初の画像は、S800のシリンダーヘッドです。

下の画像の赤い矢印部分が、バルブの挟み角です。

良く、耳にする挟角ヘッドとは、ここの角度が少ない事を意味しています。

今回、計ったS800の挟み角は、70度

アルファロメオ・ジュリアのエンジンが、80度

TE27レビンの2TGは、66度です。

ちなみに、平成のGTR・RB26は、47度

一昔前の、F1エンジンのDFVが、32度

最近のF1エンジンに至っては、何と21.5度だそうです。

21.5度を分度器の画像で想像して見てください・・・S800と比べたら、ほとんど垂直ですよね(笑)

簡単に言えば、新しいエンジンほどバルブの挟み角は狭くなっているのです。


旧車のバルブの挟み角が広いエンジンは、バルブが大きく出来る事と、バルブフェイスに対して垂直に近い形でポートの形状が取れる利点が在りました。

しかし、その分燃焼室が深くなり、山形ピストン等が必要でした。

近代のエンジンは、ボアを大きく取り、燃焼室一杯までバルブを広げ、浅い燃焼室を形造る様に設計されています。

ポート形状もダウンドラフトやインジェクションの発達で、横向きにする必要がなくなりましたからね。

しかし、その反面一般プライベーターやチューナーには限られた範囲でしかチューニング出来なくなっているのも事実です。

その点、旧車のエンジンは、加工範囲が非常に多く、オリジナルに比べて著しくパワーを上げる事が出来る面白みが在ると思います。


話が逸れましたが、何の為にバルブ挟み角を知る必要が在るかと言うと、ビックバルブの限界サイズを決める為です。

最後の画像の様に、対向バルブはオーバーラップ時にチップする可能性が在ります。

バルブを大きくして、リフトの高いカムを入れれば入れるほど、そのリスクは高くなります。

バルブの限界サイズは、燃焼室に対してだけでなく、バルブ同士の干渉とカムシャフトのリフト量とのバランスを考え決定します。

造り手にとっては、このギリギリを計算するのが非常に面白い作業です(笑)

明日は、続いてビックバルブに付いて書きます。

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ホンダS800エンジン分解(4)

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おはようございます。

暫く振りに、S800エンジン分解の続きです。

さて、最初の画像は、S800エンジンが3基に増えました・・・と言っても、完品では無く、1番がブローしたヘッドです。

レース用に加工するなら、このヘッドで十分です。

本日は、バルブを抜き、各データーを拾います。

まず、バルブを抜いた感想は・・・「ちっちぇ~、やっぱりバイクだな!」ってとこですかね(笑)

左がL28、右がS800用で、排気量が違い過ぎるので参考になりませんが、小ささのイメージは湧くのではないかと思います。


バルブの重量は傘径がINの方が大きいですが3㎜短いので、IN、EX共に47g

バルブ傘径/長は、IN 35.5/82㎜   EX 31.5/85㎜

バルブスプリングセット長は、IN 32㎜  EX 35mm

通常は、インテークの方が傘径が大きく重いので、インテーク側のバルブスプリングを硬めにセットします。

しかし、バルブスプリングセット長が3㎜違い、その分INバルブが重ければ理屈に合うのですが同じ重量での、しかも3㎜もの違いは何を意味するのか理解に苦しみます。

硬さを変えると言っても一般的には、0.5㎜~1㎜バルブスプリングセット長を変える程度なので何か意味が在るのでしょうか?

今後の課題ですね。


さて、このS800エンジンはレース用なので将来的には、ビックバルブを入れる事になります。

その時の為に、事前に調べた参考データーを残しておきます。

S800バルブ           
傘径/長、IN 35.5/82㎜ EX 31.5/85㎜  ステム径6㎜  重量 IN47g EX47g

A12レース用バルブ      
傘径/長、IN 40/103.6㎜ EX 33/103.6㎜ ステム径7㎜  重量 IN64g EX52g

KZ1000レース用バルブ    
傘径/長、IN 37/100㎜  EX 32/100㎜  ステム径5.5㎜ 重量 IN39g EX30g

VQ35レース用チタンバルブ 
傘径/長、IN 36/100㎜  EX 31.5/100㎜ ステム径6㎜  重量 IN31g EX28.7g

***KZ1000とVQ35のバルブ長は概算です。

KZ1000レース用の5.5㎜ステムはサイズ、重量共に魅力的です。

VQ35用はニスモで販売されていますが、VK45エンジンからの日産純正流用なので、チタンバルブにしては価格的にもリーズナブルで軽量なのですが、サイズ的にS800とほぼ同じなので残念ながら使えません。

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最後は、バルブリフターです。

S800のリフターは母材がアルミ製で、カムシャフトが当たる面に硬質な鉄材が鋳込まれています。

シムを入れても僅か、23g・・・やはり超軽量ですよね~

一緒に写っているのは他車エンジンからの流用ですが、S800に使用出来る鉄製リフターです。

サイズ的には同じですが、重量は27gになります。

このリフターはシム式ではなく、厚みの違うリフターごと交換してタペットクリアランスを調整するタイプです。

コストは掛りますが、鉄製で強度が在りシムが無い分、部品点数が減り強度と低メンテに貢献します。

この4gを、安全マージンと考えるかレース用と言う観点から少しでも軽い方を選択するかは非常に難しいですね。

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